フィリピンからの撤退を決めてから清算が完了するまでにどれくらいかかるか、という質問をよく受けます。実際の所要期間は、会社形態、解散方法、税務申告の状況、BIRの税務調査の有無、従業員や債権者への対応などによって大きく変わります。

目安として、問題の少ない駐在員事務所では半年程度、株式会社では1年半から3年程度かかるケースが多いと言われます。ただし、これは法律で定められた標準処理期間ではありません。未申告、未納税、帳簿の不備、税務調査などがある場合は、さらに長期化する可能性があります。

本シリーズでは、フィリピンにおける会社清算について、次の6回に分けて解説します。

  1. 全体編
  2. 存続期間の短縮
  3. 株主総会の決議による解散
  4. 支店・駐在員事務所
  5. 税務編
  6. 労務・社会保険編

第1回となる本記事では、解散方法の違い、必要となる手続き、所要期間、費用を左右する要因について、全体像を紹介します。なお、本記事は、債務を返済できる会社が自主的に事業を終了する場合を主な対象としています。

清算の前に検討される選択肢

フィリピン事業から撤退する方法は、必ずしも会社を解散・清算する方法だけではありません。事業の状況によっては、株式譲渡や事業譲渡も選択肢になります。

株式譲渡

株主が保有する株式を第三者へ譲渡し、会社自体を存続させる方法です。会社という法人格はそのまま残るため、会社が保有する資産、負債、従業員との雇用関係、契約関係なども原則として会社に残ります。ただし、株式譲渡契約の内容や、譲渡後に行われる組織再編によっては、従業員や契約先への追加対応が必要になることがあります。

また、買い手は通常、税務申告、会計帳簿、許認可、偶発債務、労務問題などについてデューデリジェンスを実施します。過去の税務・法務上の問題が見つかれば、売却価格や契約条件に影響します。

事業譲渡

会社の事業、資産、契約などを別の会社へ譲渡する方法です。株式譲渡とは異なり、元の会社は自動的には消滅しません。事業譲渡後も、元の会社について、解散・清算、株式譲渡、休眠状態での維持などを別途判断する必要があります。

資産の譲渡には原則としてVATが発生します。また、契約や許認可は当然に移転するとは限らないため、契約相手や関係機関の承認が必要になる場合があります。従業員の移籍についても、雇用関係や退職金の取扱いを個別に確認しなければなりません。

株式譲渡や事業譲渡は、清算を回避できる可能性がある一方で、買い手探し、デューデリジェンス、契約交渉などに時間と費用がかかります。そのため、撤退方針を決める段階で、清算とあわせて比較することが重要です。

なお、現実には、撤退を検討するほど業績が芳しくない会社に買い手が現れるケースは多くありません。日系企業同士で事業を引き継ぐ話がまとまることもありますが、撤退案件全体から見れば少数です。買い手探しに時間をかけすぎて撤退そのものが遅れると、その間も赤字と維持コストが積み上がっていきます。
※吸収合併は事例が少ないため割愛します。

清算方法の全体像

フィリピンの会社法であるRevised Corporation Code(改正会社法)では、会社の状況に応じて複数の解散方法が定められています。

区分方法主な要件
任意解散存続期間の短縮
(会社法136条)
定款を変更して会社の存続期間を短縮し、その満了によって解散する方法
任意解散債権者に影響がない場合
(会社法134条社法134条)
解散によって債権者の権利を害さない場合に、株主総会の決議とSECへの申請によって解散する方法
任意解散債権者に影響がある場合
(会社法135条)
解散が債権者の権利に影響する場合に、SECへの申立てと債権者保護手続きを経て解散する方法
非任意解散SECによる解散
(会社法138条)
法令違反などを理由としてSECが会社を解散させる方法
裁判所の手続き支払不能時の清算
(倒産法)
支払不能などの場合に、裁判所の関与のもとで清算または再生を行う方法
外国法人ライセンスの返上
(会社法153条)
支店・駐在員事務所などがSECの営業許可を撤回する方法

解散は、会社の事業活動を終了させる法的な起点です。一方、清算は、資産の換価、債務の支払い、残余財産の分配などを行う過程を指します。

改正会社法第139条により、会社は解散後も、訴訟、資産処分、債務弁済、残余財産の分配などの清算目的に限って、原則として3年間存続します。ただし、この期間に通常の事業を継続することはできません。必要に応じて、会社の資産を受託者へ移転して清算を継続する方法も認められています。

実務で選ばれる2つの方法

債務を返済できる株式会社が自主的に事業を終了する場合、主に次の2つの方法が検討されます。どちらが適しているかは、希望する解散時期、税務申告の状況、債権者の有無、SEC申請時点でBIRタックスクリアランスを取得できるかなどを踏まえて判断します。

  1. 存続期間の短縮による解散
  2. 株主総会の決議による解散
項目存続期間の短縮株主総会の決議による解散
根拠条文改正会社法第136条改正会社法第134条
基本的な考え方定款上の存続期間を短縮する株主決議とSECへの申請により解散する
株主の承認定款変更に必要な承認発行済株式総数の過半数による承認
公告選択する区分やSECの要求による株主総会前に1回の新聞公告が必要
債権者保護債権者の有無にかかわらず、適切な弁済・保護が必要解散によって債権者の権利を害さないことが要件
BIRタックスクリアランス満了まで1年以上あれば申請時点では不要SECへの解散申請前に必要
解散の効力短縮後の存続期間が満了した日の翌日SECが解散証明書を発行した日

存続期間の短縮による解散

存続期間の短縮とは、定款に記載された会社の存続期間を変更し、一定の日付で満了させる方法です。現在、存続期間の短縮を伴う定款変更は、SECのeAMENDシステムにおけるRegular Processingの対象です。会社は取締役会および株主の承認を得たうえで、Amended Articles of Incorporationなどの必要書類をSECへ提出します。

SECが定款変更を承認すると、短縮後の存続期間が満了した日の翌日に会社は自動的に解散します。この場合、SECが別途Certificate of Dissolutionを発行することは予定されていません。存続期間の満了日をSEC承認日から一定期間以上先に設定する区分では、SECへの定款変更申請時にBIRタックスクリアランスの提出を求めない運用が示されています。この点が、存続期間の短縮を選択する大きな理由の一つです。

なお、SEC申請時にBIRタックスクリアランスが不要であっても、BIRの登録抹消手続き自体が免除されるわけではありません。最終申告、未納税額の支払い、帳簿・領収書類の処理などは別途必要です。

存続期間の短縮については、フィリピンの会社清算の流れ②存続期間の短縮で詳しく説明します。

株主総会の決議による解散

改正会社法第134条に基づき、株主総会の決議とSECへの申請によって会社を解散する方法です。この方法の法的な要件は、会社に債権者が一切存在しないことではなく、解散によって債権者の権利を害さないことです。

そのため、買掛金、従業員への未払給与、家賃、親会社からの借入金などが残っていても、直ちに第134条を利用できないとは限りません。ただし、債権者の権利を確実に保護する必要があるため、実務上はSECへの申請前に債務を弁済するか、支払方法について債権者と合意しておくことが望まれます。

親会社からの借入金について債務免除を受ける場合は、会社法上の処理だけでなく、債務免除益などの税務上の影響も確認しなければなりません。第134条による解散では、主に次の手続きが必要です。

  • 取締役会による解散案の承認
  • 株主総会開催日の少なくとも20日前までの株主への通知
  • 株主総会開催前の新聞公告
  • 発行済株式総数の過半数による解散の承認
  • BIRタックスクリアランスの取得
  • SECへのVerified Request for Dissolutionの提出
  • SECによるCertificate of Dissolutionの発行

SECが申請を受理した後、15日以内に申請の撤回がなければ、SECは審査を経てCertificate of Dissolutionを発行します。ただし、必要書類の不備や追加照会がある場合に、必ず15日以内にすべての手続きが完了するという意味ではありません。

株主総会の決議による解散については、フィリピンの会社清算の流れ③株主総会の決議による解散で詳しく説明します。

登録を抹消すべき機関

フィリピンの会社清算では、SECの手続きだけを完了させても、すべての登録が自動的に抹消されるわけではありません。会社の登録状況に応じて、主に次の機関で手続きが必要になります。

  • BIR:最終の税務申告を行い、未納税額やペナルティを精算したうえで、BIR Form No. 1905などを用いて登録抹消を申請します。
  • LGU:市または自治体のBusiness Permitを廃止します。必要書類や手続きの順序はLGUによって異なります。Barangay Clearance、Business Permit、Local Tax、固定資産関係の証明などが必要になる場合があります。
  • SEC:株式会社の場合は解散または存続期間の短縮、支店・駐在員事務所の場合はLicense to Transact Businessの撤回を申請します。
  • SSS・PhilHealth・Pag-IBIG:従業員の退職処理とあわせて、雇用主登録の廃止またはステータス変更を申請します。最終拠出金の支払い、未提出報告書、未登録従業員などがある場合は、事前に整理が必要です。
  • DOLE:会社閉鎖により従業員を解雇する場合は、原則として閉鎖予定日の少なくとも1か月前までに、対象従業員およびDOLEへ書面で通知する必要があります。解雇手当が必要となるかどうかは、閉鎖理由、会社の損失状況、雇用形態などによって異なります。
  • PEZA:PEZA登録企業は、Registration Agreementや登録証の取消しに加え、輸入設備、税関手続き、建物・設備、公共料金、従業員関係などのクリアランスが必要になる場合があります。必要書類は会社の登録形態や撤退方法によって異なるため、PEZAが公表する最新のチェックリストに基づいて進めます。
  • その他:PEZA登録企業は、Registration Agreementや登録証の取消しに加え、輸入設備、税関手続き、建物・設備、公共料金、従業員関係などのクリアランスが必要になる場合があります。
  • 必要書類は会社の登録形態や撤退方法によって異なるため、PEZAが公表する最新のチェックリストに基づいて進めます。
  • その他
  • 会社の状況に応じて、Customs、BSP、業種別の許認可機関、銀行、賃貸人などへの対応も必要です。

外国投資のBSP登録はすべての投資について一律に義務付けられているものではありません。ただし、残余財産や投資回収金をフィリピンの銀行から購入する外貨で海外送金する場合は、BSP登録や投資資金の流入を証明する書類が必要になる可能性があります。各手続きは完全に一直線で進むわけではなく、並行して進められるものもあります。解散方法や各機関の要求書類を確認したうえで、全体の順序を設計することが重要です。

清算の流れと所要期間

以下は一般的な流れです。会社ごとの税務・労務・契約関係によって、順序が前後する場合があります。

存続期間の短縮を選んだ場合

  1. 取締役会および株主による存続期間短縮の承認
  2. SECのeAMENDを通じた定款変更申請
  3. 従業員およびDOLEへの閉鎖通知
  4. 事業停止、契約終了、資産処分の開始
  5. SSS、PhilHealth、Pag-IBIG、PEZAなどの手続き
  6. 仕入先、従業員、親会社などに対する債務の整理
  7. 最終税務申告とBIR登録抹消手続き
  8. LGUのBusiness Permit廃止
  9. 短縮後の存続期間の満了による自動解散
  10. 残余財産の確定と株主への分配

BIRやLGUの手続きは、会社の状況によって存続期間満了の前後にまたがる可能性があります。SEC上の解散日だけを先に決めるのではなく、最終申告や従業員対応に必要な期間を逆算して満了日を設定します。

株主総会の決議による解散を選んだ場合

  1. 取締役会による撤退方針と解散方法の承認
  2. 従業員およびDOLEへの閉鎖通知
  3. 事業停止、契約終了、資産処分の開始
  4. 債務の弁済または債権者の権利を保護する措置
  5. SSS、PhilHealth、Pag-IBIG、PEZAなどの手続き
  6. 最終税務申告とBIRタックスクリアランスの取得
  7. 株主への通知、新聞公告および株主総会の開催
  8. SECへのVerified Request for Dissolutionの提出
  9. SECによるCertificate of Dissolutionの発行
  10. 残余財産の確定と株主への分配

株主総会の開催時期は、BIRへの届出期限やSEC申請書類の有効性を考慮して決める必要があります。特に、BIRタックスクリアランスの取得に長期間を要すると、その後の会社手続きのスケジュールにも影響します。

期間を左右するのはタックスクリアランス

会社清算の期間を大きく左右するのが、BIRの登録抹消とタックスクリアランスです。従来は、BIRが過去の申告内容を確認し、必要に応じて税務調査を行うため、タックスクリアランスの取得に長期間を要することがありました。

2026年に発行されたRMC No. 47-2026では、事業閉鎖に伴うBIR登録抹消手続きが見直されています。必要書類がすべて提出されると、対象となる税目の登録が抹消され、完全な提出日以後については、当該税目に関する新たな未申告のOpen Caseや不申告ペナルティを発生させない取扱いが示されています。ただし、閉鎖日までの最終申告と納税は必要です。

また、一定の小規模納税者については、次の条件を満たす場合、完全な書類提出と必要な支払いから3営業日以内にタックスクリアランスを発行する簡素化された手続きが示されています。

  • 未解決の税務調査がない
  • 未申告やOpen Caseがない
  • 未納税額やペナルティがない
  • 必要書類がすべて提出されている
  • 売上高・総資産などの基準を満たしている

RMC No. 47-2026では、前年度売上高が300万ペソ以下、または総資産が800万ペソ以下という基準が記載されています。一方で、税務調査を必要とする会社については、売上高が300万ペソを超える場合、または総資産が800万ペソを超える場合という記載もあります。

このため、例えば売上高は基準以下でも総資産が基準を超えるような場合は、通達の文言上、取扱いが重なる可能性があります。両方の基準を満たさない会社については、3営業日での処理を前提とせず、管轄RDOへ事前に確認することが安全です。

また、3営業日という期間は、会社が事業を停止した日から起算するものではありません。必要書類が完全に提出され、未納税額などが解消されていることが前提です。すでにLetter of Authorityが発行されている場合や、監査対象となる基準を超える場合は、原則として税務調査の完了後にタックスクリアランスが発行されます。したがって、会社清算を短期間で終わらせるためには、撤退決定後にすぐ申請することよりも、申告漏れ、未納税、Open Case、帳簿不備を早期に洗い出し、必要書類を整えることが重要です。

会社形態ごとの違い

株式会社

フィリピンの株式会社は、株主とは別の法人格を持っています。そのため、株主や親会社がフィリピンから撤退するだけでは、会社は消滅しません。Revised Corporation Codeに基づく解散手続きと、BIR、LGU、社会保険機関などの登録抹消が必要です。

会社の資産は、債権者への支払いを終えた後でなければ株主へ分配できません。残余財産を日本の親会社へ送金する場合は、清算に伴う税務上の取扱いと、銀行・外国為替上の必要書類も確認します。

支店・駐在員事務所

フィリピンの株式会社は、株主とは別の法人格を持っています。そのため、株主や親会社がフィリピンから撤退するだけでは、会社は消滅しません。Revised Corporation Codeに基づく解散手続きと、BIR、LGU、社会保険機関などの登録抹消が必要です。

会社の資産は、債権者への支払いを終えた後でなければ株主へ分配できません。残余財産を日本の親会社へ送金する場合は、清算に伴う税務上の取扱いと、銀行・外国為替上の必要書類も確認します。

支店・駐在員事務所

支店・駐在員事務所は、フィリピンで設立された独立法人ではなく、外国法人の一部です。そのため、株式会社の解散とは異なり、改正会社法第153条に基づき、SECに対してLicense to Transact Businessの撤回を申請します。SECが撤回証明書を発行するためには、フィリピン国内の債権者への支払いまたは債権者の権利を保護する措置、税金・料金の支払い、新聞公告などが必要です。

支店の場合は、SECへ預託している有価証券の返還手続きが発生することがあります。また、日本本社の取締役会決議、委任状、宣誓供述書などについて、アポスティーユ付きの書類が必要になる場合があります。支店・駐在員事務所は株式会社より早く手続きが完了する場合がありますが、半年程度という期間はあくまで問題が少ないケースの目安です。BIRの未申告、税務調査、従業員や債権者への対応が残っていれば長期化します。

支店・駐在員事務所の手続きについては、フィリピンの会社清算の流れ④支店・駐在員事務所で詳しく説明します。

費用の見積り

会社清算にかかる費用は、SECやBIRへの申請費用だけではありません。実務上は、次の費用が大きくなる可能性があります。

従業員関係

  • 法定の解雇手当
  • 未払給与
  • 未使用休暇の換金
  • 13th Month Pay
  • 最終給与に関する税金・社会保険
  • 従業員対応を行う期間中の人件費

閉鎖が重大な事業損失によるものか、それ以外の理由によるものかによって、法定の解雇手当の取扱いが変わる可能性があります。

契約・資産関係

  • オフィス賃貸契約の中途解約金
  • 原状回復費用
  • 設備や在庫の処分費用
  • PEZA免税輸入設備の関税・VAT
  • システムやサービス契約の解約費用

法務・税務・維持費用

  • 未納税額
  • 延滞利息、加算税、妥協罰金
  • 税務調査への対応費用
  • 外部監査、会計、法務などの専門家費用
  • 清算完了までの記帳、申告、登記住所、銀行口座維持費用
  • 新聞公告費用
  • SEC・LGUなどへの申請費用

清算期間が長くなるほど、事業を停止した後も会社を維持するための費用が発生します。清算費用を見積もる際は、申請手数料だけでなく、完了までの維持費も含めて検討する必要があります。

撤退を決めたらまず着手すべきこと

撤退の方針が固まった段階で、次の順に着手することをお勧めします。

1. 税務申告と帳簿の状況

  • 未申告の税務申告書がないか
  • 未納税額やペナルティがないか
  • BIRのOpen Caseがないか
  • Letter of Authorityが発行されていないか
  • 帳簿、インボイス、源泉徴収票などが揃っているか

2. 債権・債務の状況

  • 仕入先や賃貸人への債務
  • 従業員への未払給与や給付
  • 親会社・関係会社との貸付金や立替金
  • 顧客からの預り金
  • 回収可能性の低い売掛金
    ※第134条による解散を検討する場合は、各債権者の権利を害さない状態にできるかを確認します。

3. 資金と海外送金

  • 清算費用を支払うための資金
  • 残余財産の見込み
  • 投資資金の流入を証明する銀行書類
  • BSP登録の有無
  • 海外送金に必要となる銀行書類

4. 契約関係

  • オフィス賃貸契約
  • 顧客・仕入先との契約
  • リース契約
  • 通信・インターネット契約
  • ソフトウェアやクラウドサービス
  • 保険契約

5. 従業員対応

  • 閉鎖予定日の決定
  • 従業員・DOLEへの1か月前通知
  • 法定退職金の計算
  • 最終給与、13th Month Pay、未使用休暇の計算
  • SSS、PhilHealth、Pag-IBIG、BIRの退職処理
  • 清算手続きを担当する従業員の確保

おわりに

フィリピンの会社清算は、SECへ解散申請を提出すれば終わる手続きではありません。BIRの登録抹消、LGUのBusiness Permit廃止、従業員対応、社会保険、契約終了、資産処分、残余財産の送金などを、相互の関係を確認しながら進める必要があります。特に重要なのは、次の3点です。

  1. 会社の状況に適した解散方法を選ぶこと
  2. BIRの未申告・未納税・Open Caseを早期に確認すること
  3. 従業員、債権者、契約先への対応を解散日から逆算すること

清算期間を短縮するには、撤退を決定した後ではなく、撤退を検討し始めた段階で税務・会計・労務の状況を点検することが有効です。

当社では、フィリピン事業からの撤退を検討する企業に対し、税務・会計面を中心とした論点整理や、必要な手続きの進め方に関するご相談を受けています。具体的な対応範囲は会社の状況によって異なりますので、現在の登録・申告状況を確認したうえでご案内します。

参考リンク(公的機関の一次情報)