経理代行パッケージは、フィリピン法人の運営に必要な経理・バックオフィス業務一式を、毎月定額でお引き受けするサービスです。会計記帳や税務申告といった個別業務の切り出しではなく、経理部門の機能そのものを当社に置き換えていただくイメージに近く、当社が最も多くのお客様にご利用いただいている中核サービスです。
進出したばかりで専任の経理担当を置くほどの規模ではない企業、担当者の退職のたびに引き継ぎに苦労している企業、現在の委託先の対応に満足できていない企業。このページでは、そうした企業の皆様に向けて、サービスの中身と料金、導入までの流れをご案内します。
フィリピンの経理を自社で回すことの難しさ
フィリピンで法人を運営すると、経理担当者が向き合う相手はBIR(内国歳入庁)だけではありません。実際には、次のような機関との手続きが年間を通じて発生します。
| 対応先 | 主な手続き | 頻度 |
|---|---|---|
| BIR(内国歳入庁) | 源泉税・VAT・法人所得税などの申告・納税、法定会計帳簿の提出 | 月次・四半期・年次 |
| LGU(地方自治体) | 営業許可証の更新、地方税の納付 | 年次(1月に集中) |
| SEC(証券取引委員会) | 監査済財務諸表・年次報告書(GIS)の提出 | 年次 |
| SSS・PhilHealth・Pag-IBIG(社会保険) | 保険料の申告・納付、加入・脱退手続き | 月次・随時 |
| DOLE(労働雇用省) | 各種報告・届出 | 随時 |
| 銀行 | 納税・支払の実行、署名者・口座の管理 | 日常的 |
一つひとつは定型的な業務ですが、期限・様式・窓口がそれぞれ異なり、しかも制度変更が頻繁にあります。日本の感覚で「経理担当が1人いれば回るだろう」と見積もると、申告漏れやペナルティという形でしわ寄せが出ることが少なくありません。フィリピンの税金の全体像は、記事「フィリピンで事業を行う上で理解すべき主要な税金」にまとめています。
そして、制度以上に悩ましいのが人の問題です。これだけ幅広い業務に対応できる経理人材は採用市場でも限られており、ようやく採用しても数年で転職してしまうことは珍しくありません。「担当者が突然退職し、過去の処理や役所への手続き状況がブラックボックス化してしまった」というご相談は、実際によくいただきます。
経理代行パッケージとは
毎月の経理・バックオフィス業務を、月額定額で丸ごと当社にお任せいただくサービスです。記帳・税務申告・年次決算という経理の中核業務に加え、給与計算、支払業務、営業許可証の更新といった周辺業務までカバーします(対応範囲はプランにより異なります)。
経理スタッフを自社で雇用する場合と比べると、違いは次のとおりです。
| 観点 | 経理スタッフを自社雇用 | 経理代行パッケージ |
|---|---|---|
| 採用・育成 | 募集・面接・研修に時間とコストがかかる | 不要。契約後すぐに業務を開始できる |
| 退職リスク | 退職のたびに引き継ぎが発生し、業務が止まる懸念 | 担当が組織として継続。属人化しない |
| 品質・専門性 | 担当者のスキルに依存。制度変更への追随も本人任せ | 責任者のレビューを経た品質を継続的に提供 |
| 不正・内部統制 | 1人に任せきりになりやすく、チェックが働きにくい | 外部の複数名体制により相互チェックが働く |
| コスト | 給与に加え社会保険料・13ヶ月給与・採用費が発生 | 月額定額。専任者1名の雇用コストと同等かそれ以下の水準 |
経理の外部委託は単なる業務効率化ではなく、退職・属人化・不正といったリスクへの備えでもあります。特にフィリピンでは、この観点でパッケージを選ばれるお客様が多いです。
料金と4つのプラン
法人形態によって税務・報告義務が大きく異なるため、ベースを「株式会社・支店向け」と「駐在員事務所向け」の2つに分け、それぞれにサービスレベル2段階をご用意しています。組み合わせは次の4パターンです。
| 月額料金(VAT別) | スタンダード | プレミアム |
|---|---|---|
| 駐在員事務所 | ₱30,000 | ₱45,000 |
| 株式会社・支店 | ₱40,000 | ₱60,000 |
スタンダードプランは、記帳・年次決算・税務申告・法定帳簿の提出など、法令上求められるコンプライアンス対応を手堅くカバーする基本プランです。コストを抑えつつ申告漏れのない体制を作りたいお客様に向いています。
プレミアムプランは、給与計算の上限拡大に加え、支払業務代行や営業許可証の更新、月2時間までの顧問相談などを含み、経理・総務まわりの業務負荷を最小限にしたいお客様向けです。駐在員が実務から離れ、マネジメントと営業に専念する体制を作れます。
各プランに含まれる業務の一覧表と一括前払い割引(最大7%)については、料金プランのページをご覧ください。
パッケージに含まれる主な業務
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 会計記帳・月次財務諸表 | クラウド型会計システムでの記帳と証憑管理。月次で財務諸表を発行し、経営状況をタイムリーに把握できます |
| 税務申告・納税代行 | 源泉税・VAT・法人所得税など、月次・四半期・年次の申告と納税手続きを一括代行します |
| 年次決算・会計監査対応 | 年次財務諸表の作成と、法定会計監査への対応を行います(監査契約は別途) |
| 給与計算 | 社会保険料や源泉税の計算を含む毎月の給与計算。13ヶ月給与にも対応します |
| 行政機関・銀行対応 | LGU・SEC・社会保険3庁などへの手続きや、銀行実務をサポートします(範囲はプランによります) |
日本本社への月次報告や連結パッケージへの対応など、表にない業務もご相談いただけます。
現在の委託先や自社経理からの切り替え
すでに他の会計事務所へ委託している、あるいは自社の経理担当で回してきたという企業からの切り替えも承っています。対応の遅さや品質、料金とのバランスに疑問を感じながら、「切り替えは大変そうだから」と現状維持を続けているケースは意外と多いものです。
移管にあたっては、過去の帳簿・申告書類・役所への登録状況を当社で確認した上で引き継ぎますので、お客様側の作業は資料の共有と関係者のご紹介程度です。帳簿が長期間更新されていない、過去の申告内容に不安があるといった場合には、経理立て直しからのスタートもご提案できます。
導入までの流れ
- お問い合わせ:フォームからご連絡ください。日本人担当者がメールでご返信します
- 初回無料オンライン面談:現在の状況とお困りごとをうかがいます。マカティ市の当社オフィスでの対面も歓迎です
- お見積り・ご契約:ご希望に沿ったお見積書をご提示し、電子契約で締結します
- 業務開始:資料の引き継ぎ後、サービスを開始します
よくあるご質問
Q. 英語に自信がなくても大丈夫ですか?
日本人が日本語で対応しますのでご安心ください。役所や監査人との英語でのやり取りは当社が担います。
Q. 資料のやり取りはどのように行いますか?
請求書や銀行取引明細などを毎月データでご提供いただく形が基本です。会計システムはクラウド型のため、ご希望に応じて閲覧権限をお渡しでき、日本本社からも直接データをご確認いただけます。
Q. 会計システムの指定があるのですが。
ご相談の上、できる限り柔軟に対応します。お客様指定のシステムを使用する場合、パッケージ内の会計システム利用料は対象外となります。
Q. 期の途中からでも切り替えられますか?
可能です。税務申告の締めのタイミングを踏まえ、移管に適した時期をご提案します。
Q. これから法人を設立する段階でも相談できますか?
もちろんです。当社は会社登記代行も提供しており、設立から経理体制の立ち上げまで一貫してサポートできます。設立前の段階でご相談いただくと、資本金や法人形態の設計を税務面から検討できるため、かえって効率的です。
おわりに
フィリピンの経理は、制度の複雑さと人材確保の難しさが重なる領域です。自社で抱え込む方法にも、優秀な担当者に恵まれれば十分な合理性がありますが、退職や制度変更のたびに駐在員が実務に引き戻される状態が続いているなら、部門ごと外部に任せる選択肢を一度検討する価値はあるはずです。
現在の管理体制へのお悩みやご質問があれば、初回無料のオンライン面談でお気軽にご相談ください。