支払業務代行とは

支払業務は、会社の資金を実際に動かす業務でありながら、月に何度も発生し工数がかかります。しかも単に振り込むだけでは済みません。請求書が税法要件を満たしているかの確認、EWT(拡大源泉税)の算出・控除、源泉徴収票の作成・交付までが一連の処理として伴います。EWTを控除せず満額を支払うと源泉徴収義務違反となるうえ、支払済みの超過分をサプライヤーから取り戻すことは困難です。支払う前の確認が、後から取り返しのつかない誤りを防ぐ唯一のタイミングになります。

また、特定の駐在員やフィリピン人マネージャーが単独で支払を完結できる体制は、内部統制の観点から不正リスクを高めます。当社の支払業務代行は、請求書の内容確認からオンラインバンキングでの支払リクエスト、源泉徴収票の発行までを一括して代行し、支払の正確性と統制の両方を確保するサービスです。

対応業務

お客様からの支払指示に基づき、以下の業務を代行します。

  • 請求書の内容確認:BIR認定のInvoiceであるかの確認、記載形式が税法要件(VAT金額・買い手の会社名・TIN・住所 等)を満たしているかのチェック、サービス内容・単価・数量の確認を行います
  • EWT(拡大源泉税)の算出:サービスの内容に応じた適切なEWT税率を判断し、控除すべき源泉税額を算出します。請求書に記載がない場合も当社にて算出します
  • 支払リクエスト(Maker):お客様のオンラインバンキングにMaker権限でログインし、EWT控除後の実際の支払額にて支払リクエストを行います
  • 源泉徴収票(BIR Form 2307)の作成・発行:支払完了後、源泉徴収票を作成し、サプライヤー・ベンダーへ交付します。会計システムに署名権者の電子署名をご登録いただければ都度の署名を省略でき、PDFの源泉徴収票を正規版として取り扱えるため、原本の郵送も不要です

Maker権限について

本サービスは、お客様のオンラインバンキングの「Maker権限」を当社に付与いただくことが前提となります。Maker権限とは、支払のリクエストのみを実行できる権限です。支払リクエストは、Approver権限を持つ方(お客様側)が承認して初めて実行されるため、当社単独で支払を完結させることはできません。お客様の銀行口座を当社が自由に動かすことは一切できない仕組みです。権限の名称は銀行により多少異なりますが、同様の仕組みを各銀行とも正式に提供しています。

なお、当社の口座や資金を用いた立替払いは行いません。資金は常にお客様ご自身の口座から、お客様の承認を経て支払われるため、資金の流れが不透明になることがありません。

支払代行のフロー

支払作業は原則として月1〜2回程度、まとめて実施します。標準的なフローは以下のとおりで、お客様のご要望に応じたアレンジも可能です。

①サプライヤー・ベンダーから請求書が発行され、
②お客様から請求書・契約書・注文書を当社に共有いただき、支払指示をいただきます。
③当社が内容を確認のうえ、EWT(源泉税額)を算出し、
④お客様のオンラインバンキングにMakerとして支払リクエストを行います。
⑤お客様がApproverとして支払リクエストを承認すると、
⑥サプライヤー・ベンダーへの支払が実行され、領収書が発行されます。
⑦当社が源泉徴収票(BIR Form 2307)を作成し、
⑧お客様にご署名いただいた後、サプライヤー・ベンダーへ交付します。

料金

支払業務代行は、経理代行パッケージの業務としてご提供しています。詳細は料金プランをご参照ください。支払業務のみの単体でのご依頼は、支払件数やご状況を伺ったうえで個別にご案内しますので、ご相談ください。

よくあるご質問

Q. 銀行の権限を渡すことに不安があります。

Maker権限で当社ができるのは支払リクエストの作成までで、お客様(Approver)の承認がなければ1ペソも動きません。加えて当社は立替払いを行わないため、資金は常にお客様の口座からお客様の承認を経てのみ支払われます。当社が単独で資金を動かせる場面が仕組み上存在しないことが、本サービスの前提です。

Q. 承認作業は日本からでもできますか?

オンラインバンキング上の操作のため、日本にいるApprover権限者が承認する運用が可能です。日本本社の管理部門が承認権限を持つことで、現地に資金を動かせる担当者を置かない体制も実現できます。承認操作の要件(ワンタイムパスワード用のデバイス等)は銀行により異なるため、導入時にご利用銀行の仕様を確認のうえ運用を設計します。

Q. 急ぎの支払いが発生した場合は対応してもらえますか?

支払作業は月1〜2回にまとめて実施することを原則としていますが、緊急の支払いが必要な場合は個別にご相談ください。可能な範囲で対応します。

Q. 日本の親会社への支払いなど、海外送金にも対応できますか?

海外送金は、銀行によってオンラインバンキングで完結する場合と、窓口での書類手続きが必要な場合があります。ご利用銀行の仕組みと送金内容を伺ったうえで、対応可能な範囲をご案内しますので、個別にご相談ください。

Q. サプライヤーがEWTの控除に納得しない場合はどうすればよいですか?

源泉徴収はフィリピンの税法上の義務であり、控除された税額はサプライヤー側で納税額から控除できます(そのための証憑が源泉徴収票BIR Form 2307です)。この仕組みに不慣れなサプライヤーには、必要に応じて当社から制度の説明を行い、円滑に控除・交付が進むようサポートします。

おわりに

支払業務は、誤りが起きてからでは取り返しがつきにくい一方、正しい体制を組めば安全に外部化できる業務です。税法要件の確認と内部統制の仕組みを備えた支払フローを、経理体制とあわせて設計しますので、まずは初回無料面談でご相談ください。