税務申告・納税代行とは
月次・四半期・年次の税金計算を行い、税務申告書の作成・提出から納税手続きまでを代行するサービスです。フィリピンでは税務申告が年間で30〜50回ほどあり、未納・遅延・誤りが発生するたびにペナルティが課されるため、経理業務の中でも最も重要な業務と言えます。
申告の回数が多いだけでなく、期限もタイトです。源泉税の月次申告は翌月10日、VATの四半期申告は翌月25日というように期限が毎月分散しており、様式ごとにアルファリスト(支払先一覧)などの添付資料も求められます。日本の感覚で「申告は年に数回」と考えていると、進出直後に申告漏れが発生しやすいのがフィリピンの実情です。また将来の税務調査では過去の申告内容と証憑の提出が求められるため、日頃から確実に申告を行い、すべての記録を残しておくことが重要になります。
サービスの特徴
期限管理は当社が主導します
貴社に必要な申告の年間スケジュールを当社が管理し、必要な資料のご依頼から申告・納税までを期限から逆算して進めます。お客様の側で「今月はどの申告があるか」を把握しておく必要はありません。お客様にお願いするのは、資料のご提供と申告書ドラフトのご承認のみです。
申告内容を日本語で確認できる
申告書はすべて英語の様式ですが、内容のご説明やご質問への回答は日本語で行います。何の税金を・いくら・なぜ納めるのかをご理解いただいたうえで承認いただく運用のため、申告内容がブラックボックスになりません。
納税資金の流れが透明
当社では、原則として納税資金の立替払いおよびお客様資金の預かり流用は行いません。EFPS納税の場合、納税額はお客様ご自身の銀行口座から直接引き落とされ、承認権限もお客様が保持するため、当社が納税資金に触れることはありません。マニュアル納税の場合も、デポジット制度に基づき資金の受け渡しを明細で管理します(詳細はこちら)。
税務調査を見据えた記録管理
申告書の控え、提出・納付の証憑、計算根拠となる資料を体系的に保存し、お客様にもご提供します。数年後に税務調査の通知が届いた場合でも、過去の申告記録をすぐに取り出せる状態を維持します。
税務申告の流れ
フィリピンの税務申告の方法には、「eBIRForms」と「eFPS」の2種類があります。会社設立直後はeBIRFormsでの申告からスタートし、eFPSへの登録を行うことで申告・納税をオンラインで完結する体制に移行することが可能です。それぞれの業務フローは以下のとおりです。
eBIRFormsで申告する場合
マニュアル納税とは、BIRの認定銀行の窓口にて納税を行う方法です。原則としてオンラインでの納税はできません。以下の業務フローで毎月の税務申告・納税を行います。
eBIRFormsとは、BIRが提供する申告書作成・電子申告ソフトです。申告はeBIRForms上で行い、納税は申告とは別に、次のいずれかの方法で行います。
- BIR認定銀行(AAB)の窓口での納付
- 特定のオンライン納付チャネルでの納付:LANDBANK Link.BizPortal、DBP Pay Tax Online、UnionBank Online、MyEG(GCash・Maya・クレジットカード等で決済)、Mayaアプリ など
オンライン納付を利用する場合、各チャネル所定の手数料(コンビニエンスフィー)が納税者負担で発生します。手数料の金額はチャネルや決済手段によって異なります。当社では、納税額や利用可能なチャネルに応じて、実務上最適な納付方法をご案内します。eBIRFormsで申告する場合、以下の業務フローで毎月の税務申告・納税を行います。
- ①お客様から資料(請求書・領収書・契約書・銀行取引明細・売上帳・在庫棚卸資産帳 等)をご提供いただき、
- ②当社が納税申告書のドラフトを作成します。
- ③当社からお客様に納税申告書の確認をご依頼し、
- ④お客様にご確認・ご承認いただきます。
- ⑤当社が申告書を提出し、
- ⑥BIRの認定銀行窓口にて納税を行います。
- ⑦当社からお客様に納税資金をご請求し、
- ⑧当社が証憑をお客様にご提供します。

なお弊社では、原則として納税資金の「立替払い」は行いません。そのため、デポジット制度に基づく運用をしております(詳細はこちら)
eFPSで申告する場合
eFPS(Electronic Filing and Payment System)と呼ばれるオンライン申告・納税システムに登録すれば、申告から納税までをeFPS上で完結することができます。eFPS上で申告を行うと、あらかじめ紐づけたお客様ご自身の銀行口座から納税額が直接引き落とされる仕組みです。
eFPSを利用することで、銀行窓口やオンラインチャネルで別途納付する手間がなくなるため業務効率を大幅に向上できます。また、eBIRFormsでの申告に比べて納税期限が数営業日ほど延長されるため、遅延によるペナルティの発生確率を軽減するメリットもあります。こうしたメリットから、当社では原則としてすべてのお客様にeFPSへの登録をお願いしています(登録手続きも当社が支援します)。
eFPSでの申告・納税は、当社がMaker権限にて申告・納税情報を入力し、お客様がAuthorizer権限で承認・引き落としを行う形で進みます。入力と承認の権限が分離しているため、お客様の承認なしに納税が実行されることはありません。

対象となる税務申告
対象となる税務申告の一覧を以下に掲載します。企業によって必要な税務申告が異なりますので、あくまでご参考としてご活用ください。各企業ごとに必要な税務申告は、BIR Form 2303(BIR登録証書)に記載されています。
| BIR Form No. | Form Name | 添付資料 | 月次 | 四 半期 | 年次 | 都度 | 期限*² |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1601C | 報酬に係る源泉税の月次申告書 | ✓ | 翌月10日 | ||||
| 0619E | 控除可能な拡大源泉税の月次申告書 | ✓ | 翌月10日 | ||||
| 0619F | 最終源泉税の月次申告書 | ✓ | 翌月10日 | ||||
| 1600VT | 国外からのデジタルサービスに係る付加価値税の月次申告書 | 月次の支払先アルファリスト(DATファイル) | ✓ | 翌月10日 | |||
| 1601EQ | 控除可能な拡大源泉税の四半期申告書 | 四半期の支払先アルファリスト(DATファイル) | ✓ | 各四半期終了月の翌月末 | |||
| 1601FQ | 最終源泉税の四半期申告書 | 四半期の支払先アルファリスト(DATファイル) | ✓ | 各四半期終了月の翌月末 | |||
| 1603Q | フリンジベネフィットに係る最終源泉税の四半期申告書 | フリンジベネフィットの一覧表 | ✓ | 各四半期終了月の翌月末 | |||
| 1702Q | 法人所得税の四半期申告書 | 源泉税に係るアルファリストの一覧表 (SAWT)顧客が発行した源泉徴収票 | ✓ | 各四半期末から60日 | |||
| 2550Q*¹ | 付加価値税の四半期申告書 | 四半期VAT取引明細(SLSP) | ✓ | 各四半期末の翌月25日 | |||
| 1604C | 報酬に係る源泉税の年次申告書 | 従業員のアルファリスト | ✓ | 毎年1月31日 | |||
| 1604E | 控除可能な拡大源泉税及び源泉徴収免除支払の年次申告書 | 支払先のアルファリスト | ✓ | 毎年3月1日 | |||
| 1604F | フリンジベネフィット税及び最終源泉税の年次申告書 | 従業員のフリンジベネフィット税及び最終源泉税に係るアルファリスト | ✓ | 毎年1月31日 | |||
| 1702 | 法人所得税の年次申告書 | 監査済財務諸表源泉税に係るアルファリストの一覧表 (SAWT)経営者確認書 | ✓ | 各年度末から4か月目の15日 | |||
| 1709*¹ | 関連当事者取引の年次申告書 | ✓ | 各年度末から4か月目の15日 | ||||
| 2316 | 報酬に係る源泉税の源泉徴収票 | 従業員の一覧表従業員の雇用情報 | ✓ | 毎年2月28日 | |||
| 2000 | 印紙税の申告書 | ✓ | 取引発生日の翌月5日 | ||||
| 2307 | 控除可能な拡大源泉税の源泉徴収票 | ✓ | 都度 |
*¹ 株式会社・支店の場合のみ
*² EFPS登録済みの場合は期限が数営業日延期される
料金
税務申告・納税代行は、記帳代行・年次決算などとあわせて経理代行パッケージ(月額₱30,000〜、VAT別)の一部としてご提供しています。税金の計算は日々の記帳と一体の業務であるためです。追加料金の発生しやすい従量課金ではなく、月額定額でのご提供です。
よくあるご質問
Q. 現在は自社(または他の会計事務所)で申告していますが、途中から切り替えられますか?
可能です。過去の申告書・帳簿・BIR登録情報を確認したうえで引き継ぎます。切り替えのタイミングは、年度替わりや四半期の区切りに合わせるとスムーズですが、期中の切り替えにも対応します。
Q. 過去に申告漏れや遅延があるかもしれません。それでも依頼できますか?
ご依頼いただけます。まず現状を確認し、未申告・誤申告があった場合の対応方針(修正申告の要否やペナルティの見込み)を整理したうえで、通常の申告体制に移行します。放置するほどペナルティは膨らむため、早めのご相談をおすすめします。
Q. 依頼した場合、自社でやるべき作業は何が残りますか?
日々の取引資料(請求書・領収書・銀行取引明細など)のご提供と、申告書ドラフトおよび納税のご承認です。税額の計算、申告書の作成・提出、期限の管理はすべて当社が行います。
Q. 納税資金を預けることに不安があります。
eFPSで申告・納税する場合、納税額はお客様ご自身の銀行口座から直接引き落とされ、承認(Authorizer)権限はお客様が保持するため、当社が納税資金を預かることはありません。当社が納付を代行する場合のみデポジット制度をご利用いただきますが、入出金はすべて明細でご確認いただけます。
Q. 申告期限の直前に依頼しても間に合いますか?
資料が揃っていれば短期間での対応も可能な場合がありますが、申告内容の正確性を確保するため、余裕を持ったご相談をお願いしています。直近の期限が迫っている場合は、まずお問い合わせフォームからその旨をお知らせください。
Q. 税務申告だけを単独で依頼することはできますか?
税金の計算は日々の記帳内容が基礎となるため、記帳代行とセットの経理代行パッケージでのご提供を原則としています。個別の事情がある場合はご相談ください。
おわりに
フィリピンの税務申告は、回数の多さと期限のタイトさから、体制が整わないまま自社対応を続けると申告漏れやペナルティにつながりやすい業務です。当社にお任せいただければ、お客様は資料のご提供と承認のみで、年間30〜50回の申告・納税が漏れなく完結します。まずは初回無料面談で、現在の申告状況をお聞かせください。